原作はアレクサンドル・プーシキンの同名の韻文小説。

音楽と内容

主な登場人物
ラーリナ: タチヤーナの母(メゾ・ソプラノ)
タチヤーナ・ラーリナ:ラーリナの2人娘の内の姉(ソプラノ)
オリガ・ラーリナ: タチヤーナの妹(メゾーソプラノ)
フィリピエブナ:タチヤーナの乳母(メゾソプラノ)
エフゲーニー・オネーギン:主人公 (パリトン)
ウラジーミル・レンスキー:オネーギンの友人で詩人(テノール)
グレーミン公爵:タチヤーナの夫となる人(バス)
ザレーツキー:レンスキーの介添え人(バス)
トリケ:フランス人の家庭教師(テノール)

舞台は19世紀の初めころ

1. 第1幕 序奏

第1幕第1場


2. 2重唱と4重唱: Slikhali l vi za roschei glas nochnoi  タチヤーナとオリガの2重唱 
プー シキンの詩「歌人」による2重唱、続いてタチヤーナの母ラーリナと乳母フィリピエブナが加わり4重唱になる。タチヤーナの母の世代の様子が歌われる。ラーリナの 若い頃、グランディソンやリチャードソンに夢中になっていた。政策結婚で離婚しそうになったけれども、家事などをしているうちに馴れ合いになり幸せを感 じるようになった。(Privychka svyshe nam dana ,zamena schastjyu ona )
3. 農民達の歌: Bolyat moyi skori nozhenki so pokhodushk
4. 情景とタチヤーナのアリア: Kak ya lyublyu pod zvuki pesen etikh タチヤーナの夢見がちな性格が描写される。
5.情景: Nu ti, moya vostrushka、オリガのおてんばな性格が歌われる
6. 情景: Mesdames! Ya na sebya vzyal smyelost レンスキー登場、オネーギンを紹介する。
7. 4重唱:Skazhi, kotoraya Tatyana オネーギンとレンスキー。
「ど の娘がタチヤーナだい。」「悲しそうで口数の少ないスヴェトラーナ(ジュコフスキーの「スヴェトラーナ」)のような娘だよ。」「もし僕が君のように詩人だったら別 な方(タチヤーナ)を選んだよ。オリガは、ヴァン・ダイクのマドンナのようだ、地平線上の月のように丸顔できれいだけれども精彩がない。」 一方、タチヤーナ はオネーギンに一目ぼれ
8. 情景とレンスキーのアリオーソ: Kak shchastliv, kak shchastliv ya! 「僕はあなたを愛しています、オリガ。あなたと会えない1日がまるで永遠のようだ。」レンスキーのオリガに対する愛情とレンスキーとオリガが小さな時から両親が結婚を約束したことが歌われる。
9. 第1場終結: A, vot i vi! オネーギンとタチヤーナが一緒に話をしている。フィリピエブナが、タチヤーナのはずかしそうにしている様子を見て、「タチヤーナはオネーギンを好きになったようだ」と独り言を言う。

第1幕第2場 (ここが一番の聞き所)


10.導入部と情景: Nu zaboltalas ya!:
乳 母フィリピエブナとタチヤーナ。タチヤーナがフィリピエブナに「恋したことがあるの?」と聞くと、「恋の話なんてとんでもない」といいながらも、フィリピエブ ナが13歳の時に自分よりも若いヴァーニャと結婚した時の話をする。タチヤーナは話を聞いている様子がなく、フィリピエブナが問いかけると、「私は恋をして いるの、一人にして」といい、フィリピエブナはタチヤーナを一人残す。
11. 手紙の場面: Puskai pogilabnu ya, no pryezhde 「私は破滅しても良い、その前に・・・」 有名な手紙の場面です。「なぜ、あなたは、このような田舎へ来たのです。来なければ、あなたを知ることもなく、このように苦しむこともなかったのに・・・」
12. 情景と2重唱: Akh, noch minula、 手紙を書き終わるともうすでに夜があけていた。
フィリピエブナに手紙を渡し彼女の孫を使ってオネーギンに手紙をわたすように頼む
13. 少女達の合唱: Servant Girl’s Chorus: Dyevitsi, krasavitsi 外から少女達の歌声が聞こえてくる。
14. 情景とアリア: Zdyes on, zdyes on, Yevgeni! オネーギンが現れ、タチヤーナは恥ずかしくて途方にくれている。
15. オネーギンのアリア Kogda bi zhizn domashnim krugom オネーギンはタチヤーナに手紙を受け取ったが、タチヤーナの感情は若さの過ちだと説教する。

第2幕 第1場 (タチヤーナの名の日)


第1場
1. 情景: Vot tak syurpriz! 
タ チヤーナの名の日のパーテイ。オネーギンはレンスキーにさそわれて気の向かないパーテイに参加するが、女性達がオネーギンのうわさをしている。「オネーギン は賭博が好きでとんでもないやつ、オネーギンはフリーメーソンで、妻となるタチヤーナは可愛そうだ」。それを聞いたオネーギンは面白く ないのでレンスキーをからかってやろうと、オリガに踊りを申し込む。
2. 情景: Uzhel ya zasluzhil ot vas nasmyeshku etu? レンスキーはオリガが踊ってくれないので、「どういうことなのだ、オリガはもう僕を愛してくれていない」と言ってオリガに迫るが、「嫉妬の罰よ」と言われ、カチリオン(踊り)を誘っても断られる。
3. トリケのクプレ:A cette fete convies フランス人の家庭教師が 「あなたはバラの花・・・」とタチヤーナになまったロシア語でクプレットを歌う。
4. 情景: Messieurs, mesdames, mesta zanyat izvolte – Ti ne tantsuyesh, Lenski?  カチリオン(踊り)が始まる。レンスキーはしょぼくれている。オネーギンはレンスキーに「なんでチャイルド・ハロルド(イギリス・ロマン派のバイロン卿の作品 「チャイルド・ハロルドの遍歴」の主人公の名前)のように、つったってるんだい」と声をかける。嫉妬に駆られたレンスキーはオネーギンに「恥知らずの誘惑者だ 」と言う。オネーギンはレンスキーに「君は気が違ったんだ」といい口論になり、レンスキーはオネーギンに決闘を申し込む
5. 情景: (V vashem dome! V vashem dome!) ラーリナが「私の家でこのようなことが(決闘の申し込み)」というと、レンスキーがラーリン家で夢のような日を過ごしたと歌い、「女性の外見は天使のようだが心は悪魔のようで狡猾だ」と嘆き立ち去る。

第2幕 第2場(決闘の場面)


6. 情景: (Nu, shto zhe?) 
翌日、レンスキーと介添人ザレーツキーが決闘の場でオネーギンを待っている。オネーギンは遅れているようだ。ザレーツキーは「自分はペダントで決闘は厳粛に行われなければならない」という。
7. レンスキーのアリア: Kuda, kuda, kuda vi udalilis 有名なテノールのアリアで単独で歌われることも多い。決闘を前にした心境が歌われる。
8. 情景: A, vot oni!  オネーギンが介添人ムッシュ・ギヨーとともに登場。ザレーツキーの掛け声で決闘が行われ、レンスキーは倒れる。

第3幕(舞踏会)


9.ポロネーズ:
 オーケストラの名曲。単独で演奏されることも多い。
10. 情景: I zdyes mnye skuchno! オ ネーギンが外国から船で戻って来ると、そのまま舞踏会へ(s korabrya na bal)。まるでチャーツキー(グリボエードフの「知恵の悲しみ」の主人公、ロシア文学でいう最初の余計者の形象)のようだ。オネーギンはすでに26歳、 友人を殺してしまった苦しみから海外へ放浪したがどうにもならない。また退屈な舞踏会だ。
11. 情景:Knyaginya Gremina! Smotrite! :「グレーミン公爵夫人だ。見てごらん。」
赤いベレーをしたタチヤーナが登場、まるで皇女(ツアリッツア)のよう。
12.グレーミン公爵のアリア: Lyubvi vsye vozrasti pokorni グレーミン公爵はオネーギンの親類で友人。グレーミンは2年ほど前にタチヤーナと結婚した。「恋に年齢は関係ない」グレーミンはタチヤーナへの愛を歌う。単独で歌われることも多いバスの名曲
13. 情景:Itak, poidyom, tebya predstavlyu ya- Uzhel ta samaya Tatyana グレーミンはタチヤーナにオネーギンを紹介する。オネーギンはタチヤーナの高貴な美しさに驚く、本当にあの彼女なのだろうか。 オネーギンは恋の虜になる、私は破滅しても良いとタチヤーナが手紙の場面で歌った歌を歌う。
14. 情景: O! kak mnye tyazhelo! タチヤーナが一人、「なんてつらいことでしょう、またオネーギンが・・・。炎のような眼差しで私の心を惑わせる。私はまるであの時の少女になったよう・・・」
15.情景: ‘Onegin! Ya togda molozhe’ オ ネーギン登場、タチヤーナの前にひれ伏す。タチヤーナは「私は昔は若く、もっと美しかった。でも、私のことを相手にしてくれなかった。今は、私はもう他の人 に嫁いだ身。」本当はオネーギンのことを愛しているのだが、夫に忠実な妻でなければならないとオネーギンを拒む。オネーギンは絶望して立ち去る。

この作品は歌劇といわれるよりも、抒情的情景といわれるように、非常にリリカルな音楽。美しいメロディにあふれています。

おすすめの演奏はロストロポーヴィチ指揮ボリショイ劇場管弦楽団(ヴイシネフスカヤのタチヤナ)なのですが、残念ながらCDがでていません。他にはスヴェトラーノフ盤、フェドセーヴィチ盤などロシアの演奏家によるものが良いと思います。
ブ イシュコフ盤(パリ管弦楽団)のみトリケのクプレがフランス語になっています、この盤ではフヴォロストフスキーのオネーギンでおすすめです。ショルティ盤 と小澤盤はミレルラ・フレーニのタチヤナ。変わったものではノーヴァヤ・オペラのコロボフ盤、独自の解釈で若干のセリフの変更がみられます。ユニークなも のではマッケラスの英語版もあります。

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