バレエ「白鳥の湖」チャイコフスキー作曲 (あらすじ/内容) 

初演
1877年3月4日に モスクワのボリショイ劇場バレエ団により、ヴェンツェル・ライジンガーの振り付けで初演。結果は、失敗でした。

蘇演
チャイコフスキーの死後、1895年1月15日 サンクトペテルブルクでマリインスキー劇場バレエ団 により、マリウス・プティパ及びレフ・イワノフ の振り付けで蘇演、オデット・オディールはレニャーニが踊りました。これによりこの作品の真価が認められました。

初演の失敗と蘇演の成功は振付師によるもので、チャイコフスキーの音楽によるものではありません。現在たくさんの版がありますが、第2幕は、ほとんどプテイパ・イワノフ版の優れた振付が踏襲されています。

演奏時間 全曲で約2時間半

全4幕のバレエですが、演出により、ボリショイ劇場のグリゴローヴィチ版のように、1幕と2幕、3幕と4幕が統合され全2幕の構成だったり、マリインスキー劇場では1幕と2幕が統合され、全3幕だったりします。劇場では幕間の休憩が約20分ですので終演時間が異なってきます。

この作品は、ドイツの作家ムゼウスの童話「奪われたべール」を元に作られた作品。舞台はドイツ。音楽は全29曲からなります。

主要な登場人物
王妃
ジークフリート王子
ウオルフガング(家庭教師)
ベンノ(友人)
道化
オデット(白鳥の女王)
ロットバルト(通常はふくろうの姿をした悪魔)
オディール(ロットバルトの娘、第3幕でオデットに姿を似せて変身します、バレエではオデットとオデールは1人2役で踊ります)

音楽

第1幕 (王宮の庭)

第1曲:セーヌ(情景)
第2曲:ワルツ
第3曲:セーヌ(情景)  王妃の登場。成人になる王子に舞踏会で花嫁を選ぶようにといいます。
第4曲:パ・ドゥ・トロワ (3人の踊り、王子の友人ベンノの力強い踊りが見られます。)

(第5曲:パ・ドゥ・ドゥー (現在は第3幕のパ・ド・ドウに使用されることが多いです)
第6曲:パ・ダクシオン 道化の難度の高い踊りが見られます。
第7曲:シェジェ (杯の踊りへの前奏、数小節の短い曲)
第8曲:杯の踊り
第9曲:フィナーレ(王子は湖へ狩に。)

第2幕 (湖のほとり)

第10曲:セーヌ(情景) 全曲中、最も知られている音楽です。
第11曲:セーヌ(情景) (オデットの登場、オデットが王子にロットバルトに呪いをかけられ、永遠の愛のみが彼女たちを救えることなどを物語ります)
第12曲:セーヌ(情景) (白鳥達が登場する)
第13曲:白鳥たちの踊り
・最も重要なのはグラン・アダージョ(音楽:アンダンテ・ノン・トロッポ)いわゆる王子と白鳥のパ・ド・ドウ。冒頭の部分には美しいハープのカデンツア(独奏)があります。続くヴァイオリンとチェロのメロデイは甘美。全曲中最も美しく叙情的部分です。


(オデット:ニーナ・カプツォワ、王子:アルチョム・オフチャレンコ)

・4羽の小さな白鳥の踊り(パ・ドウ・カトル)、

・3羽の大きな白鳥の踊り(パ・ドゥ・トロワ)、(4羽で踊られることもあります)

・白鳥の女王の踊り(パ・スール)

・コーダ (ザハ-ロワのオデット~終幕まで)

第14曲:セーヌ(情景) (第2幕の最終曲で第10曲と全く同じ音楽)

第3幕(王宮の舞踏会)

第15曲:セーヌ(情景) アレグロ・ジュストで軽快に始まります。
第16曲:コール・ドゥ・バレエとこびとの踊り (道化の踊り、アクロバティックな踊りがあります)
第17曲:セーヌ(ファンファーレによる賓客たちの登場とワルツ)
第18曲:セーヌ(情景)
第19曲:パ・ドゥ・シス (現在、パ・ドウ・シス 6人の踊りとして踊られることはほとんどありません。この曲から黒鳥のパ・ド・ドウの音楽に転用されることもあります。)
(追加パ・ドゥ・ドゥー、新たに発見されたパ・ド・ドウと言われる曲で一部が黒鳥のパ・ド・ドウに転用されることがあります。)
第20曲:ハンガリーの踊り(チャールダッシュ) 前半の緩やかなラッサンと後半の軽快なフリスカからなります。

(追加:ロシアの踊り 劇場によって削除されることがあります。)

第21曲:スペインの踊り

第22曲:ナポリの踊り(コルネットの活躍する音楽)

第23曲:マズルカ (ポーランドの踊り)

◎黒鳥のパ・ド・ドウ:  各国の踊りのあとに黒鳥のパ・ド・ドウがあります。黒鳥はロットバルトの娘オディールがオデットに化けています。そのため、オディールはオデット役の踊 り手が一人二役で踊ります。音楽は原譜第5曲または第19曲、新たに発見されたパ・ド・ドウから使用されます。コーダでは片足で掃くようにして踊る32回 のグラン・フェッテ・アントール・ナンという見せ場があります。舞踊手によっては、ダブル・フェッテ、トリプルフェッテを入れることもあます。
(プティパ・イワノフ版)
第5番aとbのアンダンテ 王子とオディールの踊り
第5番bのアレグロ 王子の踊り
挿入曲 18のピアノ小品曲作品72から12番「遊戯」 オディールの踊り
第5番d オディールと王子による華やかなコーダ。

第24曲:セーヌ(情景) 王子は黒鳥オデールをオデットと思い込み永遠の愛を誓ってしまいます。窓の外で悲嘆にくれるオデット、悪魔ロットバルトはオデールと共に王子をあざ笑い立ち去ります。王子は湖へ。そして幕となります。

第4幕 (湖のほとり)

第25曲:間奏曲
挿入曲:ヴァルス・ブリアント(18のピアノ小品曲作品72から11番 ドリゴ編曲)情景:白鳥達がオデットを待っています。
第26曲:セーヌ(情景) 悲嘆にくれたオデットが湖に戻ってきます。
第27曲:小さな白鳥たちの踊り(黒い白鳥がときどきいますがこれは子供の白鳥です。)
第28曲:セーヌ(情景) 王子が湖に現れます。
挿入曲:ウン・ポコ・ディ・ショパン(18のピアノ小品曲作品72から15番 ドリゴ編曲)情景
第29曲:フィナーレのセーヌ(情景) 王子とロットバルトとの戦い。本来、王子とオデットは死んで昇天して結ばれるという悲劇的結末、演出によってはハッピー・エンドの物があるが、音楽は悲劇的結末のために作られています。

(セーヌ(情景)は、マイムで物語る部分)

DVDではマリインスキー劇場、ゲルギエフ指揮 ロパートキナのオデットがおすすめ。スカラ座のDVDはブルメイステル版でザハーロワのオデット、他に少し古い映像ではボリショイ劇場のグリゴローヴィチ版見ベスメルトノワ、ミハリチェンコ盤があります。

録音ではサヴァリッシュ、プレヴィン、小澤、ヤルヴィの完全全曲盤ではシンフォニックな演奏で、新たに発見されたパ・ド・ドウを含んだものもありますが、プテイパ、イワノフによる蘇演時に追加されたドリゴの編曲による挿入曲が含まれていません。フェドトフ、ゲルギエフ盤はプテイパ・イワノフ版にそって録音されていますのでこれらの挿入曲を聴くことができますが、逆に19番のパ・ド・シスなどが削除されています。
古い録音ではディアギレフバレエ団で指揮をしていたバレエ音楽の神様エルネスト・アンセルメ盤、こちらは全曲盤ということで販売されていますが原譜第19曲のパドシスなどが削除されていて短縮版といった感じです。抜粋版ではユージン・オーマンディ指揮フィルデルフィア管弦楽団の演奏が良いです。組曲ではカラヤン盤がなかなか良いです。新しい録音ではネーメ・ヤルヴィの全曲盤がおすすめです。

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