舞台神聖祝典劇「パルジファル」 ワーグナー作曲 (あらすじ/内容) 

舞台神聖祝典劇「パルジファル」は、リヒャルト・ワーグナーが1865年、バイエルン国王ルートヴィヒ2世のために書いた作品。全3幕。原語ドイツ語。台本も作曲家自身によります。中世(10世紀ごろ)スペインのモンサルヴァート城及びクリングゾルの魔の城を舞台としています。初演は1882年7月26日、バイロイト祝祭歌劇場にて。

登場人物

パルジファル(テノール) 無垢で愚かな若者として登場し、パルジファルの名前は劇中で明らかにされる。
グルネマンツ(バス) モンサルヴァート城の老騎士。のちに隠者。
アン(アム)フォルタス(バリトン) モンサルヴァート城の王。聖杯を守る。
クンドリ(ソプラノ) 呪われた女。クリングゾルの手先となる。
クリングゾル(バリトン) 魔法使い。
ティトゥレル(バス) アンフォルタスの父。先王。
聖杯守護の騎士2人(テノール、バス)
小姓4人(ソプラノ2、テノール2)
花の乙女たち6人(ソプラノ、アルト)

演奏時間:全曲約4時間半(各幕120分、70分、80分)。

あらすじ

第1幕

前奏曲。グルネマンツと小姓たちが傷の治療のために湖へ向かう王を待っているところへ、クンドリが現れ、アンフォルタス王の薬を託します。かつてアンフォルタスはクンドリに誘惑され、聖槍を奪われて傷つけられていました。癒えない傷口からは、絶えず血が流れ出し、罪の意識を伴ってアンフォルタスを苦しめていました。グルネマンツは魔法使いクリングゾルの邪悪と、王を救うための神託について語ります。神託とは、「共苦して知に至る、汚れなき愚者を待て」というものでした。そこへ、湖の白鳥を射落とした若者が引っ立てられてきます。グルネマンツはこの若者こそ神託の顕現ではないかと期待し、若者を連れて城へ向かいます。城内の礼拝堂で、聖杯の儀式が執り行われます。しかし、傷ついているアンフォルタスにとって、儀式は苦悩を増すものでしかありません。官能への憧れと罪への苦痛、死への願望がアンフォルタスを襲います。先王ティトゥレルの促しによって、聖杯が開帳されます。しかし、若者は茫然として立ちつくすばかりです。グルネマンツは失望して若者を追い立てます。

第2幕

短い前奏曲。クリングゾルの魔の城。クリングゾルの呼びかけに応じてクンドリが目覚めます。クリングゾルはクンドリに、魔の城に侵入した若者を誘惑し堕落させるように命じます。クンドリは抵抗するが、結局言いなりになるしかありません。若者は襲いかかってくる兵士たちをなぎ倒して進むうち、クリングゾルの魔法によって、あたりは花園になります。花の乙女たちが無邪気に舞いながら若者を誘います。やがてクンドリが「パルジファル!」と呼びかけ、初めて若者の名が明かされます。クンドリはパルジファルの母親の愛を語り、接吻します。ところが、この接吻によって、パルジファルは知を得て、アンフォルタスの苦悩を自分のものとします。なおもクンドリはパルジファルに迫り、クンドリの呪われた過去も明らかになります。しかし、パルジファルはこれを退けます。誘惑に失敗したと悟ったクリングゾルが現れ、聖槍をパルジファルめがけて投げつけます。聖槍はパルジファルの頭上で静止し、パルジファルがそれをつかんで十字を切ると、魔法が解け、城は崩壊して花園は荒野と化します。

第3幕

第1幕と同じ場所で、隠者となったグルネマンツは倒れているクンドリを見つけます。そこに武装した騎士が現れます。騎士はパルジファルでした。いまやアンフォルタスは聖杯の儀式を拒否し、先王ティトゥレルも失意のうちに没し、聖杯の騎士団は崩壊の危機に瀕しています。クンドリが水を汲んできて、パルジファルの足を洗い、グルネマンツがパルジファルの頭に水をかける洗礼の儀式を行います。パルジファルもまたクンドリを浄めます。3人は城に向かいます。城では、騎士たちの要請によって、ティトゥレルの葬儀のための儀式が、これを最後に始まろうとしていました。アンフォルタスは苦悩の頂点に達し、「我に死を」と叫びます。そのとき、パルジファルが進み出て、聖槍を王の傷口にあてると、たちまち傷が癒えてしまいました。パルジファルは新しい王となることを宣言し、聖杯を高く掲げます。合唱が「救済者に救済を!」と歌います。聖杯は灼熱の輝きを放ち、丸天井から一羽の白鳩が舞い降りて、パルジファルの頭上で羽ばたきます。クンドリは呪いから解放されてその場で息絶えます。


クンドリーの誘惑


おすすめ盤はクナッパーツブッシュの演奏です。

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