歌劇「リゴレット」ヴェルディ作曲 (あらすじ/内容)

「リゴレット」は、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全3幕からなるオペラ。1851年、ヴェネツィア・フェニーチェ座で初演。ヴェルディ中期の傑作。

主な登場人物

エンリコ・カルーソーが扮するマントヴァ公爵
マントヴァ公爵(テノール)
リゴレット、公爵に仕えるせむしの道化(バリトン)
ジルダ、リゴレットの娘、16歳(ソプラノ)
スパラフチーレ、ブルゴーニュ生まれの殺し屋(バス)
マッダレーナ、スパラフチーレの妹(メゾソプラノ/アルト)
チェプラーノ伯爵(バリトン)
チェプラーノ伯爵夫人(メゾソプラノ)
モンテローネ伯爵、チェプラーノ伯爵夫人の実父(バス)
マルッロ、公爵の廷臣(バリトン)
マッテオ・ボルサ、公爵の廷臣(テノール)
マントヴァ公爵夫人の小姓(メゾソプラノ)
合唱

あらすじ

時と場所: 16世紀、マントヴァ。

前奏曲

第1幕

第1場、幕が開くと公爵邸の大広間。舞踏会が催され、舞台裏のバンドが賑やかに音楽を奏でています。マントヴァ公爵は最近日曜日の度に教会で見かける美しく若い娘のことが気になっていますが、まずはチェプラーノ伯爵夫人を今夜の獲物と定め、次から次へと女性を手玉に取る愉しみを軽快なバッラータを歌います。やがて伯爵夫人が現れ、公爵は言葉巧みに口説き落とし別室へと連れて行きます。夫人の行方を捜し歩くチェプラーノ伯爵はリゴレットによって笑いものにされます。一方、リゴレットの娘ジルダの存在を嗅ぎ付け、それがせむし男リゴレットの情婦だと勘違いした廷臣たちは噂話を続けています。そこへ老人モンテローネ伯爵が、実の娘チェプラーノ伯爵夫人の名誉が傷つけられたとして抗議に現れます。リゴレットは彼もまた嘲笑の的にしようとしますが、モンテローネは公爵とリゴレットに痛烈な呪いの言葉をかけ、リゴレットは内心恐怖に打ち震えます。

第2場、家路へ急ぐリゴレットですが、モンテローネの呪いはその念頭を去りません。殺し屋スパラフチーレが現れ、「美しい妹が相手を誘い出し、自分が刺し殺す。半分は前金で頂き、残金は殺してから」と自分の殺し屋稼業を説明するが、リゴレットは「今は用はない」と彼を立ち去らせます。リゴレットは「俺はこの舌で人を殺し、奴は短剣で殺す」と、モノローグ『二人は同じ』を歌います。帰宅したリゴレットを美しい娘ジルダが迎えます。彼女は父親の素性、亡くなったと聞かされている母親はどんな女性だったか、などを矢継ぎ早にリゴレットに尋ねますが、ジルダにだけは世間の醜さを見せたくないと考えるリゴレットは、教会に行く以外は外出するなと厳命して去ります。リゴレットと入れ替わりに公爵が現れます。教会で見かけた娘はこのジルダでした。彼は「自分は貧しい学生」と名乗り熱烈な愛情を告白します。初めは驚くジルダでしたが、うぶな彼女は百戦錬磨の公爵の術策の前には無力、生まれて初めての恋愛感情に陶然とします。愛情を確かめ合う2重唱の後公爵は去ります。独り残るジルダは公爵のこしらえた偽名「グヮルティエル・マルデ」をいとおしみ、アリア『慕わしき御名』を歌います。この時リゴレット宅の周りには廷臣たちが集結していました。彼らはジルダをリゴレットの情婦と思い込んでおり、彼女を誘拐して公爵に献呈すればリゴレットに恰好の復讐になると考えていました。リゴレットもそこに戻ってきますが、廷臣たちは「今からチェプラーノ伯爵夫人を誘拐する」とリゴレットを騙し、言葉巧みにリゴレットに目隠しをしてしまいます。彼が目隠しをとったときは既に遅く、ジルダは誘拐されてしまいます。リゴレットは、自分にモンテローネの呪いが降りかかった、と恐れおののきます。

第2幕

ジルダが行方不明になったとの報は公爵にも伝わり、いつもは単に好色な彼も、珍しく殊勝にもその身を案じるアリア『あの娘の涙が見えるようだ』を歌います。しかし廷臣たちが、若い娘を誘拐し、殿下の寝室に待たせております、と自慢話を始めると、それがジルダであると悟り浮き浮きと寝室に去ります。入れ替わりにリゴレットが登場し、道化話で態度を取り繕いながら娘の所在を探し回ります。公爵夫人の小姓と廷臣たちの会話を小耳にはさみ、ジルダが公爵と共に寝室にいると確信したリゴレットは、娘の返還を訴える劇的なアリア『悪魔め、鬼め』を歌います。ジルダが寝室を飛び出してきてリゴレットと再会します。彼女は、貧しい学生と名乗る男には教会で初めて出会ったこと、裏切られたと知った今でも、彼への愛情は変わらないことを父親に切々と訴えます。一方リゴレットは、モンテローネに替わって自分こそが公爵に復讐するのだと天に誓います。

第3幕

ミンチョ河畔のいかがわしい居酒屋兼旅荘。中にはスパラフチーレと、騎兵士官の身なりをした公爵、外にはリゴレットとジルダ。公爵に対する未練を捨て切れないジルダに、リゴレットは「では真実を見るのだ」と壁穴から中を覗かせます。公爵は、女はみな気まぐれ、と、有名なカンツォーネ『女は気まぐれ(女心の歌)』を歌います。スパラフチーレの妹マッダレーナが現れ、公爵の気を惹きます。マッダレーナを口説く公爵、色目を遣ってその気にさせるマッダレーナ、外から覗いて嘆き悲しむジルダ、娘の名誉のため改めて復讐を誓うリゴレットの4人が、これも有名な4重唱『美しい愛らしい娘よ』を繰り広げます。リゴレットは娘に、この街を去りヴェローナに向けて出発せよと命令します。
残ったリゴレットはスパラフチーレに、公爵を殺し死体を自分に渡すことを依頼し、前金の金貨10枚を渡し去ります。酔った公爵は鼻歌を歌いつつ居酒屋の2階で寝込んでしまいます。外は嵐。公爵に惚れたマッダレーナは兄に命だけは助けてやってくれと願います。それは殺し屋の商道徳に反すると反対していた兄も妹の願いに不承不承従い、真夜中の鐘が鳴るまでに他人がこの居酒屋を訪れたら、その者を身代わりに殺すことに決定します。ヴェローナ行きの旅装に身を包んだジルダは公爵を諦め切れず再び登場し、2人の会話を聞き、自分がその身代わりとなることを決断します。嵐が一段と激しくなる中、ジルダは遂に意を決して居酒屋のドアを叩き、中に招き入れられます。
嵐が次第に静まる頃リゴレットが戻ってきて、残金と引換えに死体入りの布袋を受け取ります。ミンチョ川に投げ入れようとするとき、マッダレーナとの愉しい一夜を終えた公爵があの『女は気まぐれ(女心の歌)』を歌いながら去るのを聞きリゴレットは驚きます。慌てて袋を開けるとそこには虫の息のジルダ。彼女は、父の言いつけに背いたことを詫びつつ、愛する男の身代わりになり天に召される幸福を歌って息絶えます。残されたリゴレットは「ああ、あの呪いだ!」と叫んで幕となります。


リゴレット 第3幕 女心の歌

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